『現代の理論』アーカイブでは、第一次から第三次にいたる雑誌『現代の理論』に掲載された論文のうち、再読すべき主要論文を編集委員会が厳選して紹介いたします。また読者のみなさんのご要望にもお応えします。発信媒体の多様化によって目先の時局論・政局に流されることのない骨太で息の長い理論の発信を目指してきました。そのような先達の営為をあらためて回顧することによって、「今だからこそ」問われなければならない現代的課題の再発見が可能となることを確信しています。

初回は第三次『現代の理論』創刊号（２００４年１０月）の特集「日本どこからどこへⅠ」の「『戦後』は終わらせない」（橘川俊忠・現神奈川大学名誉教授）と「『戦後日本』の夢を抱いて」（早野透・現桜美林大学教授）両氏の論考を再録します。まさに安倍晋三の言う「戦後レジームからの脱却」の妄想を一撃するものになっており、我われが今日的に戦後を再認識する核心的な論考です。