論壇/現代の理論・論文アーカイブ

“愛国心は、ならず者の最後の隠れ家である”

民族とは、国民とは、日本人とは何か

自民党の総裁選も終わり、いよいよ総選挙となった。総裁選出馬当時、久しぶりに自民党リベラル派の登場かと思われた岸田も、安倍・高市の攻撃に屈し、このところ路線を右転回させている。かつてよく言われた自民党の右翼バネが依然として効いているようだ。安倍は、高市を使い、国家や民族という右派のシンボルを最大限に利用して、自己保身を最優先させている。

誤った単一民族説を払拭することもできず、曖昧な民族・国民観念によって国家統合を図っても、その目的が政治的スキャンダルを隠蔽する自己保身にあることは、あまりにも見え透いている。まさに、「愛国心は、ならず者の最後の隠れ家である」という、もはや言い古された政治的格言そのままである。総選挙の投票前に、もう一度、民族とは、国民とは、日本人とは何か、考えてみよう。そんなことは今更説明もいらない自明のことだという政治家がいたら、それはならず者の政治家に違いないのだから。

以下の「あいまい国家日本の由来」(橘川俊忠)をクリックしご覧下さい。(編集部)

 

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あいまい国家日本の由来

  『現代の理論』(第3次紙版)第14号(2008年新春号)
     神奈川大学教授 橘川 俊忠

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